2024年5月11日土曜日

クールな彼のはずが…?

彼と出会ったのは職場でした。いつも冷静に物事を判断する彼のクールな性格が好きになり、なんとかこぎつけたデートで私から告白をしました。 彼は普段から人にあまり興味がなく、私の告白を受け入れてくれたときも「俺は人に興味を持てない性格だから、うまく付き合っていけるかは正直まだわからない」と言っていました。少し寂しさを覚えながらも、「彼の重荷にならない程度に少しずつ距離を縮めていけたら」と当時は考えていました。 そんなふうに、お互いどうすればいいかわからないままぎこちなく恋人を続ける生活は二か月ほど続きました。 ところがあるとき、事態は急展開を迎えました。 彼の部屋に遊びに行ったある日、私はどうしても彼と触れ合いたくて彼の手をぎゅっと握りました。そこからなんだかタガが外れてしまい、彼に抱きついたり至近距離で見つめつづけたりとやりたい放題してしまいました。やがてふと冷静になり、やばい絶対ドン引きされた、と戦々恐々としながらあらためて彼の顔を窺ってみると、なんだかトロンとした目の彼がいました。 その日から彼は今までと別人レベルで変化しました。彼の中でセーブしていた感情が私の暴走により解き放たれたのか、一緒にいるときは片時も離れず私にくっついてくるようになりました。何かというと私に甘え、別れるときには寂しさを隠そうともしません。クールだった彼の面影はもはやまったくなくなり、今いるのは溶けきったアイスのような人間だけです。 そんな彼の激変した様子がとても可愛くて、さらに彼を好きになってしまいました。 今では互いに互いを甘やかすバカップルへと変貌を遂げています。クールな彼のこんな一面を知ることができたので、あのとき告白して本当によかったなと強く思っています。